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福祉用具貸与の開業手続き|指定申請の要件・人員基準・必要書類

2026 10/23
福祉用具貸与
2024年12月3日2026年10月23日
福祉用具貸与の指定基準|福祉用具レンタルの人員・設備と開業手続き
目次

福祉用具貸与とは?

福祉用具貸与事業とは、

要介護者に対して、その利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、利用者の心身の状況、希望及びその置かれている環境を踏まえた適切な福祉用具の選定の援助、取付け、調整等を行い、福祉用具を貸与することにより、利用者の日常生活上の便宜を図り、その機能訓練に資するとともに、利用者を介護する者の負担の軽減を図るもの

とされています。

要介護者の方が、ご自宅でも自立した日常生活を営めるように、福祉用具のレンタルを行います。このレンタルを行う事業所のことを、「福祉用具貸与事業所」と言います。

※レンタルではなく、福祉用具の販売を行う場合は、特定福祉用具販売事業になります。詳しくは下記ページを参考にしてください。

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福祉用具貸与の対象者とは?

要介護認定で要介護1~5の方は福祉用具貸与、要支援1~2の方は介護予防福祉用具貸与が対象になります。

福祉用具貸与事業を行うための基準

法人格を有すること

福祉用具貸与を行うには、株式会社、合同会社、一般社団法人、NPO法人などの「法人」であることが必要です。

法人の種別は問われませんが、法人を設立してからでなければ申請をすることができません。

人員基準を満たすこと

福祉用具貸与事業を行うには、必要な人員を置かなければなりません。

申請時点で必要な人員が確保できている必要があります。また、指定後においても、実際にサービス利用者がいるかどうかに関わらず、人員を確保していることが求められています。

管理者

1人以上必要です。

管理者は、専ら福祉用具貸与事業所の管理に係る職務に従事する常勤の者でなければなりません。

ただし、福祉用具貸与事業所の管理上支障がない場合は福祉用具貸与事業所の他の職務に従事し、又は他の事業所、施設等の職務に従事することができます。管理者は後述する福祉用具専門相談員との兼任が可能です。

福祉用具専門相談員

常勤換算で2人以上必要です。

常勤換算について

常勤換算とは、非常勤スタッフやパートタイムスタッフなどの勤務時間を合計して、フルタイムのスタッフ(常勤者)に換算する方法です。福祉用具専門相談員の場合、常勤換算で「2人以上」必要とされています。

常勤換算の計算式は以下の通りです。

常勤換算人数=スタッフの総勤務時間÷1人あたりの常勤の所定労働時間

なお、「1人あたりの常勤の所定労働時間」は、通常1週間で40時間(1日8時間 × 5日)とされる場合が多いですが、事業所の規定に従います。

下記にその計算例を示します。

※1週間で40時間(1日8時間 × 5日)の事業所を想定しています。

計算例その1

<非常勤スタッフ(福祉用具専門相談員)が2名の場合>

Aさん:週30時間勤務
Bさん:週20時間勤務
常勤の所定労働時間:40時間/週

「常勤換算人数=(30+20)÷40=1.25人」

この場合、常勤換算で1.25人となり、2人以上には満たないため、追加の勤務時間が必要です。

計算例その2

<非常勤スタッフ(福祉用具専門相談員)が2名、常勤スタッフ(福祉用具専門相談員)が1名の場合>

Aさん:週20時間勤務(非常勤)
Bさん:週20時間勤務(非常勤)
Cさん:週40時間勤務(フルタイム・常勤)

常勤の所定労働時間:40時間/週

「常勤換算人数=(20+20+40)÷40=2.0人」

この場合、常勤換算で2人となり、基準を満たします。

福祉用具専門相談員となるための資格について

  1. 保健師
  2. 看護師
  3. 准看護師
  4. 理学療法士
  5. 作業療法士
  6. 社会福祉士
  7. 介護福祉士
  8. 義肢装具士
  9. 福祉用具専門相談員に関する講習であって厚生労働省令で定める基準に適合するものを行う者として都道府県知事が指定するものにより行われる当該講習の課程を修了し、当該福祉用具専門相談員指定講習事業者から当該福祉用具専門相談員指定講習を修了した旨の証明書の交付を受けた者

設備基準を満たすこと

福祉用具貸与事業所は、

「福祉用具の保管及び消毒のために必要な設備及び器材」並びに「事業の運営を行うために必要な広さの区画」を有するほか、「福祉用具貸与の提供に必要なその他の設備及び備品等」を備えなければならない。

とされています。

具体的には、下記のような設備・器材である必要があります。

福祉用具の保管のために必要な設備
  • 清潔であること
  • 既に消毒又は補修がなされている福祉用具とそれ以外の福祉用具を区分することが可能であること
福祉用具の消毒のために必要な器材
  • 福祉用具貸与事業者が取り扱う福祉用具の種類及び材質等からみて適切な消毒効果を有するものであること

なお、例えばですが、東京都では、「利用申込の受付・相談等に対応するのに適切なスペースも確保するもの」とされています。申請先の自治体によって、設備基準は細かく異なりますので、事前に確認を行う必要があります。

貸与の対象となる福祉用具について

貸与の対象となる福祉用具については、下記サイトがわかりやすいので、参考にしてください。

介護保険と福祉用具「レンタル・販売対象種目」:一般社団法人全国福祉用具専門相談員協会

運営基準を満たすこと

運営基準とは、適切なサービスを提供するにあたって福祉用具貸与事業所が行わなければならない事項や留意すべき事項など、事業を実施する上で求められる運営上の基準です。

運営基準は多数ありますが、その多くは指定申請後に満たすべき基準になっています。また、独自の運営基準を設けている自治体もあります。

福祉用具貸与事業所が満たすべき運営基準項目の例

  • 利用料等の受領
  • 指定福祉用具貸与の基本取扱方針
  • 指定福祉用具貸与の具体的取扱方針
  • 福祉用具貸与計画の作成
  • 運営規程
  • 適切な研修の機会の確保並びに福祉用具専門相談員の知識及び技能の向上等
  • 福祉用具の取扱種目
  • 衛生管理等
  • 掲示及び目録の備え付け
  • 記録の整備
  • 内容及び手続の説明及び同意
  • 提供拒否の禁止
  • サービス提供困難時の対応
  • 受給資格等の確認
  • 要介護認定の申請に係る援助
  • 心身の状況等の把握
  • 居宅介護支援事業者等との連携
  • 法定代理受領サービスの提供を受けるための援助
  • 居宅サービス計画に沿ったサービスの提供
  • 居宅サービス計画等の変更の援助
  • 身分を証する書類の携行
  • サービスの提供の記録
  • 保険給付の請求のための証明書の交付
  • 利用者に関する市町村への通知
  • 業務継続計画の策定等
  • 秘密保持等
  • 広告
  • 居宅介護支援事業者に対する利益供与の禁止
  • 苦情処理
  • 地域との連携等
  • 事故発生時の対応
  • 虐待の防止
  • 会計の区分
  • 管理者の責務
  • 勤務体制の確保等

申請先と開業までのスケジュールについて

福祉用具貸与事業を行うための申請書の提出窓口は、都道府県(指定都市・中核市では市)です。この申請に基づき指定を行う行政機関を「指定権者」と呼びます。

指定権者から指定を受けなければ、福祉用具貸与事業を行うことはできません。指定日は、基本的に「毎月1日」です。

指定までのスケジュールや、申請前の研修・事前相談の要否は指定権者によって異なるため、事前に確認することが重要です。

東京都の場合

  • 申請先:公益財団法人東京都福祉保健財団(介護事業者指定室)。八王子市内の事業所は八王子市へお問い合わせください。
  • 申請方法:原則として「電子申請・届出システム」で提出します(郵送はやむを得ない場合のみ)。
  • 指定日:毎月1日
  • 申請期限:指定予定日の2か月前の15日まで(電子申請の場合は15日23時59分までにシステムへ到達。郵送の場合は15日を目途に送付)
  • 新規指定前研修:受講が必須です。申込期限は、指定予定日の4か月前の末日までです。
  • 事前相談:東京都福祉保健財団で受け付けています(毎月15日頃は申請受付が集中するため、この期間の事前相談は控えるよう案内されています)。
  • 区市町村の意見(条件付加):令和8年度は、武蔵村山市で、福祉用具貸与が条件付加の対象です。同市で開設する場合は、申請前に市の介護保険担当への事前相談が必要です(対象は年度ごとに変わります)。

たとえば4月1日に開業する場合は、「12月末日までに研修申込 → 研修受講 → 2月15日までに申請 → 4月1日指定」という流れになります。法人設立・物件確保・人員確保を含め、遅くとも半年前から準備を始めることをおすすめします。

※手続きやスケジュールは変更されることがあります。申請前に、東京都・東京都福祉保健財団の最新情報をご確認ください。

関連:東京都で申請する場合の申請先・事前相談・全体の流れは、「東京都内で介護事業所を立ち上げるには?」で解説しています。

申請に必要となる書類の例(東京都の場合)

福祉用具貸与の指定申請に必要となる書類の例を掲載しました。

指定権者である自治体によって、必要な書類の種類や内容は異なります。

事前に自治体HPを確認したり、申請窓口に問い合わせをしたりして、必要な書類を確定させてから、書類の収集や作成に入るとスムーズです。

ここでは、東京都に申請を行う場合の必要書類の一覧を掲載しています。

  • 指定申請書
  • 福祉用具貸与・介護予防福祉用具貸与事業所の指定等に係る記載事項
  • 申請者の登記事項証明書又は条例等
  • 従業者の勤務体制及び勤務形態一覧表
  • 資格証の写し
  • 事業所の平面図(外観及び内部の様子がわかる写真など)
  • 福祉用具の保管及び消毒の方法(標準作業書)※自社で保管・消毒を行う場合
  • 委託契約書の写し※保管・消毒業務を委託する場合
  • 運営規程(料金表含む)
  • 利用者からの苦情を処理するために講ずる措置の概要
  • 誓約書及び誓約書別紙
  • 介護給付費算定に係る体制等に関する届出書、体制等状況一覧表、加算様式・参考様式(加算を算定する場合のみ)

開業後の労務管理

指定を受けて事業を始めると、職員の雇用に伴う労務管理が始まります。雇用契約書・就業規則の整備、時間外労働を行わせる場合の36協定の届出、社会保険・労働保険の手続きなどです。人員基準を満たす勤務体制を保ちながら、労働基準法などのルールにも沿って運営する必要があります。

行政書士法人・社労士事務所MOYORICでは、指定申請だけでなく、開業後の社労士顧問として、労務管理を継続してご支援しています。顧問契約のお客様は、雇用契約書・36協定の作成を無料で承ります。
料金は「料金のご案内」をご覧ください。初回相談は無料です(社労士顧問の対応エリア:東京・神奈川・埼玉・千葉/大阪・兵庫)。
福祉用具貸与
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この記事の監修者

津田 拓也のアバター 津田 拓也 行政書士・社会保険労務士

行政書士法人・社労士事務所MOYORIC 代表社員。行政書士(東京都行政書士会 登録番号 第06301884号)・社会保険労務士(東京都社会保険労務士会 登録番号 第13220433号)。
2006年に神戸で開業し、現在は東京・神戸の2拠点で、介護・障がい福祉サービス事業の指定申請から、開業後の社会保険・労務管理、処遇改善加算の計画書・実績報告までを一体的に支援しています。
当サイトの記事は、関係法令・告示・通知と自治体の運用を確認したうえで監修しています。

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