STEP1. 出資者を決める

合同会社を設立する際に出資をする人を「社員」と言います。

合同会社は社員1人でも設立することができますので、誰が社員になるかを決めましょう。

社員は合同会社の業務を執行するのが原則です。もし第三者に出資をしてもらう場合は、原則その出資者も経営に参加することになりますので、注意してください。

出資者のココがポイント!

合同会社の社員は必ず出資をしますが、株式会社のように多く出資した人が多くの議決権を持っているわけではありません。

1万円を出資した人でも100万円を出資した人でも議決権は原則1人1票になります。共同出資した場合でも、その出資額に関わらず議決権は平等であることを認識しておきましょう。

もし、出資額によって議決権の割合を変えたい場合は、定款に別段の定めを置く必要があります。

STEP2. 事業の目的を決める

合同会社で行う事業を決めます。

事細かに決める必要はありませんので、誰がみても明確な目的の文言を考えましょう。

もし役所などへ許可を受けて行う事業があれば、目的にはその許可が取得できる文言での記載が必要になりますので注意してください。

たとえば、人材派遣業を行うための目的は「労働者派遣業」と正式な名称を記載する必要があります。

事業目的のココがポイント!

事業目的は何個までという決まりはありません。また、将来行う予定の事業も記載することができますので、すぐに始める事業+将来行う予定の事業を記載するようにしましょう。

あれもこれも行う予定だからといって記載するのではなく、10個から15個ぐらいまでがベストです。

上場企業などのよく知られている会社でも事業目的は20個から30個程度です。第三者から見られたときに「その会社が何の事業をしている会社」なのかが分かるように記載するのがポイントです。

STEP3. 本店所在地を決める

本店所在地とは、会社の所在地(本拠地)のことです。

法務局へ登記する際に正確な住所を記載して申請をしますので、登記簿謄本に本店所在地の住所が記載されます。

自宅や賃貸店舗・レンタルオフィス・バーチャルオフィスなどで問題ありませんが、法務局に「本店所在地」として住所が登記(登録)されますので、実在する住所であることが求められます。

設立したあとは、税務署や市役所などの公的機関から本店所在地に書類が送付されるため、確実に郵便物が受け取れる場所であることが重要です。

本店所在地のココがポイント!

本店所在地はバーチャルオフィスでも構いません。住所を借りているだけですので、その分コストを安く抑えられるメリットがあります。

しかしながら、バーチャルオフィスには実際に業務をするスペースがありませんので、役所に許可を受けて行う事業(宅建業、人材派遣業など)では許可が下りないことや、銀行からの融資が受けにくい、銀行によっては法人口座の開設が厳しくなるといったデメリットもあるので、バーチャルオフィスでいいのか事前に確認することが大事です。

STEP4. 資本金を決める

合同会社の資本金はいくらでも構いませんが、運転資金として3~6か月分を基準に設定することが推奨されています。

1人で設立する場合は、10万円から50万円の間が多いです。

極端に少ない資本金だと資金繰りや会社の信用度に影響がありますので、現実問題、会社が成り立たないでしょう。事業開始に必要な金額を見積もって、資本金を決める必要があります。

資本金のココがポイント!

資本金となる資金は、お金だけではなく物でも出資することができます。

お金以外の物で出資することを「現物出資」といいます。

たとえば、個人で買ったパソコン、タブレット端末、スマートフォン、プリンター、販売用の商品、事業用に作成したホームページ、これらもすべて会社へ現物出資できます。

現物出資をする場合、出資額は購入代金ではなく、時価(市場価格)になるので注意してください。パソコンなどの機器であれば、インターネットで中古販売価格を調べることができます。

現物出資がある場合は、税理士さんと相談しながら資本金を決めるのが良いでしょう。

STEP5. 商号を決める

商号(会社名)は、自由に決めることができます。

しかし、他の商号と同じ商号やまぎらわしい商号を使うことは、こちらに不正の意図がなくともトラブルに発展しかねませんので、事前に本店所在地を管轄する法務局で、商号調査を行うようにしましょう。

【商号に使用できる文字】
・漢字、ひらがな、カタカナ、ローマ字(大文字・小文字)、アラビア数字

【商号に使用できる符号】
’(アポストロフィ)
,(カンマ)
-(ハイフン)
.(ピリオド)
・(中点)
&(アンパサンド)

符号は商号の先頭と末尾に使うことはできません。ただし、省略を意味する「 .」(ピリオド)については、商号の末尾にのみ使うことができます。

商号のココがポイント!

同じ住所に同じ商号は使用できないというルールがあります。

全く同じ住所に全く同じ商号はNGですので、個人宅であれば意図的に同じ商号を用いなければ問題になることはありません。

しかしながら、マンションやビル、レンタルオフィスなどであれば、すでに同じ商号が存在する可能性があるため、まずは同じ住所(本店)に同じ商号が存在するかを必ず確認をします。

また、同じ商号でなくても、誤認されそうな商号を名乗ることは禁止されていますので、同じマンションやビル内に似たような会社が存在するのは現実的ではありません(不正競争防止法問題になる場合もあります)。

商号に問題がないことを確認できたら、法人実印(代表印)を作成しましょう。

STEP6. 定款を作成する

目的、本店、出資額、商号が決まったら、定款を作成します。定款は会社の根本規則ですので、設立する会社の実情に合わせて検討しましょう。

定款には必ず記載しなければならない「絶対的記載事項」があります。この項目のうちの1つでも記載がないと、定款そのものが無効となってしまいますので、注意しましょう。

【絶対的記載事項】
・目的
・商号
・本店の所在地
・社員の氏名又は名称及び住所
・社員の全員が有限責任社員である旨
・社員の出資の目的及びその価額又は評価の基準

作成した定款には、収入印紙4万円分を貼り付けておきます。

定款作成のココがポイント!

定款を作成したら、「会社保管用」と「登記申請用」の定款を2部用意します。「会社保管用」の定款には4万円の収入印紙を貼って会社に保存しておきます。

「登記申請用」の定款は、法務局へ登記申請を行う際に登記申請書などとあわせて提出します。

定款を紙ではなく、電子定款で作成した場合は収入印紙を貼り付ける必要はありません。電子定款は紙媒体でありませんので、印紙税法上の課税対象とはならないためです。

※電子定款を利用することで、非課税になります。

まったく同じ内容の定款でも媒体が異なるだけで費用に差がでますので、電子定款で作成されることをお勧めいたします。

STEP7. 出資金を払い込む

定款を作成したら、社員が出資するお金(資本金となる金額)を払い込みます。現物出資がある場合は、その財産を給付します。

社員が複数いる場合は、代表者1名の銀行口座に、出資者が1人ずつ各人の出資金を払い込みます。「振込」ではなく、「入金(預入)」でも構いません。

ただし、資本金に相当する金額が口座残高があるだけでは足りません。「残高があるからいい」わけではなく、資本金として用意したことが分かるよう、一旦引き出してから、出資する金額を払い込む必要があります。

払い込みが完了したら「払込証明書」を作成して、通帳の表紙、支店名の記載があるページ、振込があった明細のページをコピーしたものと合わせてホチキスで留めておきます。払込証明書は、法務局へ登記申請を行う際に資本金となるお金が払い込まれたことを証明するための書類です。

出資金払い込みのココがポイント!

出資金は、合同会社設立後の「資本金」となるものです。

社員が複数名いる場合は、各社員が出資するお金をそれぞれ代表者の銀行口座へ払い込みます。入金だと払い込みをした社員の氏名が印字されませんので、明細書にマーカーや下線を引き、名前を書いて区別しておきましょう。

STEP8. 法務局へ登記申請を行う

定款と登記申請書などの書類が作成できたら、法務局へ登記申請を行います。

登記申請に必要な書類一式、収入印紙6万円分(登録免許税は、資本金の1,000分の7の金額と決められており、最低金額が6万円)をそろえて、法務局の窓口へ提出します。

法務局に申請書を提出した日が、合同会社の「設立日(成立日)」です。

設立登記申請のココがポイント!

法務局に登記申請をした日が合同会社の「設立日(成立日)」です。

法務局では郵送での申請も受付していますが、登記申請書が法務局に到達し、受付された日が設立日になります。登記申請書を投函した日ではありませんし、配達が遅れて希望日に設立できない場合もありますので、注意してください。

以前は、法務局の閉庁日である土日祝日と年末年始は登記申請が行えませんでしたが、直前の開庁日に申請をすることで、設立希望日が休日等であっても申請できるようになりました。