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特定相談支援事業の開業手続き|指定申請の要件・流れ・必要書類

2026 10/24
相談支援事業
2021年4月21日2026年10月24日
特定相談支援事業の指定基準|サービス等利用計画の作成と指定申請の流れ

相談支援事業には、一般相談支援事業、特定相談支援事業、障がい児相談支援事業の3つの種類があります。

当記事では、これから特定相談支援事業を開設する方に向けて、特定相談支援事業のサービス内容や指定の要件など、指定申請を行う前に知っておきたい情報をまとめています。

ぜひ参考にしてください。

目次

特定相談支援とは

障がい者が障がい福祉サービスを利用するには、区市町村の窓口に申請しますが、サービスを利用する前にこれから受けるサービスについての「サービス等利用計画」を作成する必要があります。

特定相談支援では、このサービス等利用計画を作成し、サービス利用開始後にも一定期間ごとにモニタリングを行う等の支援を行い、サービス利用者にとってどのような障がい福祉サービスが最適かを総括的かつ継続的に支援します。

特定相談支援のサービス内容

特定相談支援では、障がい者・障がい児からの相談に対応する「基本相談支援」、サービス等利用計画を作成する等の「計画相談支援」サービスを行います。

基本相談支援

障がい者・障がい児からの相談に応じ、必要な情報の提供・助言を行い、市町村及び障がい福祉サービス事業者等との連絡調整を行う。

計画相談支援

(1)サービス利用支援

①障がい福祉サービスの支給決定前に、サービス等利用計画案を作成する。
②障がい福祉サービスの支給決定後に、サービス提供事業者等と連絡調整を行いサービス等利用計画を作成する。

(2)継続サービス利用支援

①定められた期間ごとにモニタリングを実施する。
②サービス等利用計画の変更や障がい福祉サービスの変更・更新に係る申請の勧奨を行う。

特定相談支援の対象者

・障がい福祉サービスを利用申請した方や障がい児で、区市町村からサービス等利用計画の提出を求められた方
・地域相談支援を申請した障がい者で区市町村がサービス等利用計画の提出を求められた方

特定相談支援を行うための基準

特定相談支援事業をはじめるためには、特定相談支援事業を行うための人員や設備、運営などに関する基準を満たして、事業所の所在地の市町村(東京都内では区市町村)に申請を行い、事業者としての指定を受けて「指定事業者」となる必要があります。

指定基準は大きくわけて4つあり、そのすべてを満たす必要があります。

また、この基準は申請時だけでなく、指定を受けた後も満たし続ける必要があります。指定後に万一基準を満たすことができなかった場合は、指定が取り消されることもありますので、注意してください。

指定権者である区市町村によって独自の基準や運用が設けられている場合がありますので、事前に開業予定地の区市町村に確認しておきましょう。

(1)法人格を有すること

特定相談支援事業を行う申請者は、株式会社、合同会社、一般社団法人、NPO法人などの「法人」であることが必要です。

個人(個人事業)では申請できませんので、指定申請を行う前に法人を立ち上げる必要があります。

また、法人の定款の目的の中に「特定相談支援」を行うための適切な文言が記載されている必要があります。

目的の表記については、申請先の区市町村により具体的に「このように記載してください」と指定されていることがありますので、事前に開業予定地の申請窓口へ確認しておきましょう。

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(2) 人員基準を満たすこと

特定相談支援事業を行うには、①管理者、②相談支援専門員を置かなければなりません。

申請時点で必要な人員が確保できている必要があり、指定後においても実際にサービス利用者がいるかどうかに関わらず、必要な人員を確保するなど、基準を遵守し続ける必要があります。

①管理者

管理者には資格要件はありませんが、適切なサービスを提供するために必要な知識及び経験を有する者でなければなりません。

管理者としてふさわしい人物を配置する必要があります。

■配置基準:1人。専従であり、管理業務に従事する者。

「専従」とは、原則としてサービス提供時間を通じて、そのサービス以外の職務に従事しないことをいいます。ただし、管理業務に支障がないと判断できる場合は、例外的に兼務が認められています。

■資格要件:なし

②相談支援専門員

相談支援専門員は、障がい者の方が適切なサービスを受けることができるように、サービス等利用計画を作成し、サービスの利用状況を定期的に確認(モニタリング)するなど、計画相談支援を行います。

事業所ごとに、専らその職務に従事する相談支援専門員を置かなければなりません。員数は、計画相談支援の対象者の数が35人又はその端数を増すごとに1人が標準です。

■配置基準:1人以上。専従であり、その職務に従事する者。

■資格要件:相談支援従事者研修の受講+一定の実務経験を有すること。

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(3) 設備基準を満たすこと

事業の運営を行うために必要な設備(事業所)を設ける必要があります。

①事務室

具体的な広さの規定は設けられていませんが、管理者や従業者の人数に相当する事務机や椅子、書類や備品などを収納するための書庫が収容できる程度の広さが必要です。

原則は専用の事務室が必要になりますが、他の事業と共用する場合は、事務机を完全に分けるなど明確に区分されていれば、同一の事務室であっても差し支えありません。

②相談室

具体的な広さの規定は設けられていませんが、利用申し込みの受付や相談に対応するために適切な広さが必要です。

サービス利用者などが相談に訪れた際に、プライバシー保護の観点から個室が望ましいとされていますが、パーテーションを利用して仕切ることもできます。

③設備・備品

事務室や相談室で利用する事務机や椅子、電話、FAX、パソコン、プリンター、鍵付の書庫などが必要です。

また、感染症予防のため洗面所には、ハンドソープやペーパータオル、アルコール消毒液を設置します。

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(4) 運営基準を満たすこと

運営基準とは、適切なサービスを提供するにあたって特定相談支援事業者が行わなければならない事項や留意すべき事項など、事業を実施する上で求められる運営上の基準です。

特定相談支援事業の運営基準は多数ありますが、その多くは指定申請後に満たすべき基準になっています。また、運営基準プラス独自の基準を設けている都道府県等もあります。

<特定相談支援の運営に関する基準>

1 内容及び手続きの説明及び同意
2 契約内容の報告等
3 提供拒否の禁止
4 サービス提供困難時の対応
5 受給資格の確認
6 支給決定の申請に係る援助
7 身分を証する書類の携行
8 指定計画相談支援給付費の額等の受領
9 利用者負担額の管理
10 計画相談支援給付費の額に係る通知等
11 指定計画相談支援の具体的取扱方針
12 利用者等に対するサービス等利用計画等の書類の交付
13 計画相談支援対象障がい者等に関する区への通知
14 管理者の責務
15 運営規程
16 勤務体制の確保等
17 設備及び備品等
18 衛生管理等
19 掲示等
20 秘密保持等
21 広告
22 障がい福祉サービス事業者等からの利益収受等の禁止
23 苦情解決
24 事故発生時の対応
25 会計の区分
26 記録の整備

申請先と開業までのスケジュールについて

特定相談支援事業の指定権者は、事業所の所在地の市町村(東京都内では区市町村)です。都道府県ではなく、区市町村に申請します(障害者総合支援法に基づく指定)。

申請期限、事前相談の要否、必要書類は区市町村ごとに異なります。開業予定地の区市町村の障害福祉担当課に、早めに確認しましょう。人員の確保や相談支援従事者研修の受講時期も含め、余裕を持ったスケジュールで準備を進めることが大切です。

東京都内での障害福祉サービスの手続全体については「東京都で障害福祉サービス事業所を立ち上げるには?」で解説しています。

※手続きやスケジュールは変更されることがあります。申請前に、指定権者の最新情報をご確認ください。

申請に必要となる書類の例(東京都の場合)

特定相談支援事業の指定申請に必要となる書類の例を掲載しました。

指定権者である自治体によって、必要な書類の種類や内容は異なります。

事前に自治体HPを確認したり、申請窓口に問い合わせをしたりして、必要な書類を確定させてから、書類の収集や作成に入るとスムーズです。

ここでは、東京都足立区に申請を行う場合の必要書類の一覧を掲載しています。

  • 指定申請書
  • 指定特定相談支援事業所の指定に係る記載事項
  • 申請者の定款等
  • 登記事項証明書
  • 事業所の平面図
  • 事業所の備品等
  • 事業所の管理者及び相談支援専門員の経歴書
  • 実務経験(見込)証明書
  • 相談支援従事者研修修了証
  • 従業者全員の資格証等
  • 運営規程
  • 利用者からの苦情を解決するために講ずる措置の概要
  • 主たる対象者を特定する理由書
  • 従事者の勤務の体制及び勤務形態一覧表
  • 資産の状況(貸借対照表、財産目録等)
  • 就業規則
  • 指定障害児相談支援事業者の指定に係る誓約書
  • 役員等名簿

開業後の労務管理と処遇改善加算

指定を受けて事業を始めると、職員の雇用に伴う労務管理が始まります。雇用契約書・就業規則の整備、時間外労働を行わせる場合の36協定の届出、社会保険・労働保険の手続きなどです。人員基準を満たす勤務体制を保ちながら、労働基準法などのルールにも沿って運営する必要があります。

また、特定相談支援事業が行う計画相談支援は、令和8年6月から新たに福祉・介護職員等処遇改善加算の対象となりました。要件を満たす場合の加算率は5.1%です(加算区分はありません)。加算を取得するには、毎年度の計画書の提出と実績報告が必要です。制度の全体像は「処遇改善加算とは」で解説しています。

行政書士法人・社労士事務所MOYORICでは、指定申請だけでなく、開業後の社労士顧問として、労務管理と処遇改善加算の取得・運用まで継続してご支援しています。顧問契約のお客様は、雇用契約書・36協定の作成を無料で承ります。
詳しくは「介護・障害福祉事業所の社労士顧問」「処遇改善加算サポート」をご覧ください。初回相談は無料です(社労士顧問の対応エリア:東京・神奈川・埼玉・千葉/大阪・兵庫)。
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この記事の監修者

津田 拓也のアバター 津田 拓也 行政書士・社会保険労務士

行政書士法人・社労士事務所MOYORIC 代表社員。行政書士(東京都行政書士会 登録番号 第06301884号)・社会保険労務士(東京都社会保険労務士会 登録番号 第13220433号)。
2006年に神戸で開業し、現在は東京・神戸の2拠点で、介護・障がい福祉サービス事業の指定申請から、開業後の社会保険・労務管理、処遇改善加算の計画書・実績報告までを一体的に支援しています。
当サイトの記事は、関係法令・告示・通知と自治体の運用を確認したうえで監修しています。

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