相談支援事業には、一般相談支援事業、特定相談支援事業、障害児相談支援事業の3つの種類があります。

こちらでは、これから一般相談支援事業を開設する方に向けて、一般相談支援事業のサービス内容や指定の要件など、指定申請を行う前に知っておきたい情報をまとめました。ぜひ参考にしてみてください。

一般相談支援とは

障害のある人が地域において、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるように、情報の提供や助言などの基本相談を行う他、地域生活への移行に関する支援や地域生活への定着に関する支援を行います。

一般相談支援のサービス内容

一般相談支援事業では、障害者からの相談に対応する「基本相談支援」、施設や病院を出て地域で暮らすための「地域移行支援」と「地域定着支援」サービスを行います。

基本相談支援

障害者からの相談に応じ、必要な情報の提供・助言を行い、市町村及び障害福祉サービス事業者等との連絡調整その他の便宜を総合的に行う。

地域移行支援

・障害者支援施設等に入所している障害者や精神科病院に入院している精神障害者に対して、施設や病院から地域生活へ移行するために必要な住居の確保、生活に必要な相談、援助などを行う。
・地域生活への移行のための外出時の同行支援。
・地域移行に向けた障害福祉サービスの体験利用等の援助。
・一人暮らしに向けた体験宿泊の提供。

地域定着支援

・施設や病院から退院し単身である者、家族から独立し一人暮らしの者、地域生活が不安定な者等に対して、常時の連絡体制を確保し、障害の特性に起因して生じた緊急時の支援を行う。

地域移行支援は、「基本相談支援」及び「地域移行支援」を行い、地域定着支援は、「基本相談支援」及び「地域定着支援」を行いますが、支援の継続性確保の観点から、地域移行支援・地域定着支援両方の指定を受けることが基本です。

一般相談支援の対象者

■地域移行支援:障害がある方で地域生活への移行を希望しており、支援が必要であること。
・障害者支援施設等に入所している障害者
・精神科病院に入院している精神障害者
・救護施設または更生施設に入所している障害者
・刑務所や少年刑務所、拘置所といった刑事施設や少年院に収容されている障害者
・更生保護施設に入所している障害のある人
・自立更生促進センター、就業支援センター、自立準備ホームに宿泊している障害者

■地域定着支援:障害を抱えており、地域生活を送る上で緊急時の支援が必要と認められること。
・単身で生活し、緊急時の支援が見込めない状況にある障害者
・同居している家族等が障害、疾病等のため、緊急時等の支援が見込めない状況にある障害者
・地域社会での生活が不安定な方

一般相談支援の対象期間

一般相談支援は、長期にわたり漫然と支援を継続するのではなく、一定の期間の中で、目標を立てた上で効果的に支援を行うことが望ましいサービスであるため、有効期間が設定されています。

■地域移行支援:6ヶ月以内。地域生活への移行が具体的に見込まれる場合には、6ヶ月の範囲内で更新可。
■地域定着支援:1年以内。地域生活を継続していくための緊急時の支援体制が必要と見込まれる場合には1年間の範囲内で更新可。

一般相談支援を行うための基準

一般相談支援事業をはじめるためには、一般相談支援事業を行うための人員や設備、運営などに関する基準を満たして都道府県(地域によっては市)に申請を行い、事業者としての指定(許可)を受けて「指定事業者」となる必要があります。

指定基準は大きくわけて4つあり、そのすべてを満たす必要があります。また、この基準は申請時だけでなく、指定を受けた後も満たし続ける必要があります。指定後に万一基準を満たすことができなかった場合は、指定が取り消されることもありますので、注意してください。

指定基準は、指定を受ける都道府県等によって独自の基準を設けていますので、事前に開業予定地の都道府県等に確認しておきましょう。

(1)法人格を有すること

一般相談支援事業を行う申請者は、株式会社、合同会社、一般社団法人、NPO法人などの「法人」であることが必要です。個人(個人事業)では申請できませんので、指定申請を行う前に法人を立ち上げる必要があります。

また、法人の定款の目的の中に「一般相談支援」を行うための適切な文言が記載されている必要があります。目的の表記については、申請先の都道府県等により具体的に「このように記載してください」と指定されていることがありますので、事前に開業予定地の申請窓口へ確認しておきましょう。

(2) 人員基準を満たすこと

一般相談支援事業を行うには、①管理者、②相談支援専門員を置かなければなりません。

申請時点で必要な人員が確保できている必要があり、指定後においても実際にサービス利用者がいるかどうかに関わらず、人員を確保するなど、基準を遵守する必要があります。

①管理者

管理者には資格要件はありませんが、適切なサービスを提供するために必要な知識及び経験を有する者でなければなりません。管理としてふさわしい人物を配置する必要があります。

■配置基準:1人。専従であり、管理業務に従事する者。
「専従」とは、原則としてサービス提供時間を通じて、そのサービス以外の職務に従事しないことをいいます。ただし、管理業務に支障がないと判断できる場合は、例外的に兼務が認められています。

■資格要件:なし

②相談支援専門員

相談支援専門員は、障害者の方が適切なサービスを受けることができるように、利用計画を作成したり、地域生活への移行・定着に向けた支援を行うなど、全般的な相談支援を行います。

地域定着支援・地域移行支援を担当する従業者の中から1人以上の相談支援専門員を置かなければなりません。

■配置基準:1人以上。専従であり、その職務に従事する者。
■資格要件:相談支援従事者研修の受講+一定の実務経験を有すること。

(3) 設備基準を満たすこと

事業の運営を行うために必要な設備(事業所)を設ける必要があります。

①事務室

広さの規定はありませんが、管理者や従業者の人数に相当する事務机や椅子、書類や備品などを収納するための書庫が収容できる程度の広さが必要です。

原則は専用の事務室が必要になりますが、他の事業と共用する場合は、事務机を完全に分けるなど明確に区分されていれば、同一の事務室であっても差し支えありません。

②相談室

広さの規定はありませんが、利用申し込みの受付や相談に対応するために適切な広さが必要です。

サービス利用者などが相談に訪れた際に、プライバシー保護の観点から個室が望ましいとされていますが、パーテーションを利用して仕切ることもできます。

③設備・備品

事務室や相談室で利用する事務机や椅子、電話、FAX、パソコン、プリンター、鍵付の書庫などが必要です。また、感染症予防のため洗面所には、ハンドソープやペーパータオル、アルコール消毒液を設置します。

(4) 運営基準を満たすこと

運営基準とは、適切なサービスを提供するにあたって一般相談支援(地域移行支援・地域定着支援)事業者が行わなければならない事項や留意すべき事項など、事業を実施する上で求められる運営上の基準です。

一般相談支援事業の運営基準は多数ありますが、その多くは指定申請後に満たすべき基準になっています。また、運営基準プラス独自の基準を設けている都道府県等もあります。

<地域移行支援の運営に関する基準>
1 内容及び手続きの説明及び同意
2 契約内容の報告等
3 提供拒否の禁止
4 連絡調整に対する協力
5 サービス提供困難時の対応
6 受給資格の確認
7 地域相談支援給付決定の申請に係る援助
8 心身の状況等の把握
9 指定障害福祉サービス事業者等との連携等
10 身分を証する書類の携行
11 サービスの提供の記録
12 指定地域移行支援事業者が地域相談支援給付決定障害者に求めることのできる金銭の支払の範囲等
13 地域相談支援給付費の額等の受領
14 地域相談支援給付費の額に係る通知等
15 指定地域移行支援の具体的取扱方針
16 地域移行支援計画の作成等
17 地域における生活に移行するための活動に関する支援
18 障害福祉サービスの体験的な利用支援
19 体験的な宿泊支援
20 関係機関との連絡調整等
21 地域相談支援給付決定障害者に関する区市町村への通知
22 管理者の責務
23 運営規程
24 勤務体制の確保等
25 設備及び備品等
26 衛生管理等
27 掲示
28 秘密保持等
29 情報の提供等
30 利益供与等の禁止
31 苦情解決
32 事故発生時の対応
33 会計の区分
34 記録の整備

<地域定着支援の運営に関する基準>
1 内容及び手続きの説明及び同意
2 契約内容の報告等
3 提供拒否の禁止
4 連絡調整に対する協力
5 サービス提供困難時の対応
6 受給資格の確認
7 地域相談支援給付決定の申請に係る援助
8 心身の状況等の把握
9 指定障害福祉サービス事業者等との連携等
10 身分を証する書類の携行
11 サービスの提供の記録
12 指定地域定着支援事業者が地域相談支援給付決定障害者に求めることのできる金銭の支払の範囲等
13 地域相談支援給付費の額等の受領
14 地域相談支援給付費の額に係る通知等
15 指定地域定着支援の具体的取扱方針
16 地域定着支援台帳の作成等
17 常時の連絡体制の確保等
18 緊急の事態における支援等
19 地域相談支援給付決定障害者に関する区市町村への通知
20 管理者の責務
21 運営規程
22 勤務体制の確保等
23 設備及び備品等
24 衛生管理等
25 掲示等
26 秘密保持等
27 情報の提供等
28 利益供与等の禁止
29 苦情解決
30 事故発生時の対応
31 会計の区分
32 記録の整備