東京都で介護事業の指定申請を行う際の申請先、事前相談、GビズID、開設スケジュールの解説

東京都で介護事業所を立ち上げるには、介護保険法に基づく指定基準を満たし、指定権者から「指定」を受ける必要があります。

介護事業所として指定を受けることで、国からの介護報酬(介護給付費)を受け取って事業を行うことができます。
東京都内で介護事業を始める場合は、指定申請の流れ、申請先、事前相談、新規指定前研修、GビズIDの取得などを早めに確認しておくことが重要です。

東京都で介護事業所を立ち上げるには指定が必要

東京都内で介護事業を始めるには、介護保険法に基づいた指定基準を満たし、「指定権者」から「指定」を受ける必要があります。

指定権者とは、介護事業所などの開設を許可し、許可後の運営指導・監督を行う権限を持つ行政機関のことです。

東京都に事業所を開設する場合は、原則として「東京都」が指定権者ですが、八王子市に事業所を開設する場合のみ、「八王子市」が指定権者になります。

この指定権者から介護事業所として指定を受けることで、国からの介護報酬(介護給付費)を受け取って事業を行うことができます。

利用者がサービスを利用した際の費用の7割から9割が国からの介護報酬で支払われるため、利用者は少ない自己負担額でサービスの提供を受けることができる仕組みです。

東京都内の介護事業指定申請の申請先

東京都では窓口業務を「公益財団法人東京都福祉保健財団」へ委託していますので、指定申請書類等は受付窓口へ提出することになります。

ただし、八王子市に事業所を開設する場合は、東京都福祉保健財団ではなく、八王子市が指定権者・受付窓口となります。

東京都内で介護事業所を開設する場合の申請先
開設する場所 指定権者 実際の受付窓口
東京都内
(八王子市以外)
東京都 公益財団法人東京都福祉保健財団
八王子市 八王子市 八王子市役所
東京都内であっても、八王子市に事業所を開設する場合は、申請先が異なります。
事業所の所在地によって、指定権者・受付窓口を必ず確認してください。

東京都福祉保健財団の窓口では、指定申請(事前相談含む)、変更届、廃止、休止、再開届出、介護給付費算定に係る体制等に関する届出書、更新申請、老人福祉法の届出、業務管理体制に係る届出などの受付を行っています。

東京都福祉保健財団が受付窓口となる主な手続き

東京都福祉保健財団が受付窓口となる主なサービスは、以下のとおりです。

福祉系サービス

  • 訪問介護・介護予防訪問介護
  • 訪問入浴介護・介護予防訪問入浴介護
  • 通所介護・介護予防通所介護
  • 短期入所生活介護・介護予防短期入所生活介護
  • 福祉用具貸与・介護予防福祉用具貸与
  • 特定福祉用具販売・特定介護予防福祉用具販売
  • 居宅介護支援

医療系サービス

  • 訪問看護・介護予防訪問看護
  • 居宅療養管理指導・介護予防居宅療養管理指導
  • 訪問リハビリテーション・介護予防訪問リハビリテーション
  • 通所リハビリテーション・介護予防通所リハビリテーション(老人保健施設併設を除く)
  • 短期入所療養介護・介護予防短期入所療養介護(老人保健施設併設を除く)

東京都福祉局が窓口となるサービス

以下のサービスは、東京都福祉保健財団ではなく、東京都福祉局が窓口になります。
  • 特定施設入居者生活介護・介護予防特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム、軽費老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅)
  • 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
  • 介護老人保健施設・介護医療院(併設の通所リハビリテーション、短期入所療養介護、訪問リハビリテーションを含む)

区市町村が窓口となるサービス

以下のサービスは、区市町村が窓口になります。
  • 居宅介護支援(ケアマネ)・介護予防支援
  • 地域密着型サービス・地域密着型介護予防サービス
  • 介護予防・日常生活支援総合事業

申請前に必要な区市町村との事前相談と指定協議説明会

各申請先の窓口へ申請書類を提出する前に、必ず確認しておきたいステップがあります。

① 新規指定前研修会への参加

新規に介護事業者として指定を受けるためには、事前に公益財団法人東京都福祉保健財団が開催する「新規指定前研修」への申込み・受講が必要です(八王子市を除く)。

受講者は、原則として管理者または法人代表者のいずれかであり、事業所開設予定月の3か月前までに受講しなければなりません。

研修会は、毎月1回、15日頃に開催していますので、余裕を持ったスケジュールが必要です。

② 区市町村への事前相談

東京都の一部の区市町村では、事業所指定の際に指定拒否や指定にあたって条件が付与される場合があります。

そのため、対象となる区市町村で、対象となるサービスの指定を受けようとする場合のみ、事前相談を行うことになっています。

対象となる区市町村とサービスの一覧は、東京都ホームページ「居宅サービス事業者の指定に関する区市町村協議等について」を確認してください。
令和8年度は、6区市が対象となっています。

東京都ホームページを確認する

例えば、東京都荒川区では、訪問介護と通所介護を行うことを予定している事業者は、荒川区の介護保険課と事前相談が必要とされています。

③ GビズIDの取得

新規指定申請書類一式は、原則として電子申請で提出しますので、事前にGビズID(メンバーまたはプライム)の取得が必須となります。

GビズIDとは、デジタル庁が運営する認証システムであり、IDを取得することでさまざまな行政サービスに対して電子申請を行うことができます。

GビズIDは、デジタル庁のホームページから申請することができます。

GビズIDの公式サイトを確認する

GビズIDを取得するには、法人代表者のマイナンバーカード、メールアドレス、GビズIDアプリを入れたスマートフォンが必要になります。

マイナンバーカードを所有していない場合は、郵送申請を行います。申請書類と法人印鑑証明書などを郵送するため、アカウント発行に2週間程度かかりますので、早めに発行手続きを行うことが大事です。

また、事業所の新規指定申請を行うために、添付書類の登記事項証明書(登記簿謄本)を電子データで提出するには、「登記情報提供サービス」の利用申込みも必要です。

登記情報提供サービスの利用申込みは、「一般財団法人民事法務協会」のホームページから申請できますので、必要に応じて利用登録を行いましょう。

登記情報提供サービスを確認する

事業所開設までの全体スケジュール

サービス内容の決定から事業開始までは、以下の流れで進みます。

  1. サービス内容の決定
    どの介護事業を行うかを決めます。
  2. 法人設立
    介護事業所として指定を受けるには、株式会社、合同会社、一般社団法人、NPO法人などの「法人格」が必要ですので、法人を設立します。
  3. 事前準備
    必要な人員の確保、事務所(物件)の契約、備品を手配します。
  4. 東京都福祉保健財団へ事前相談
    事業計画の確認等について、受付窓口である東京都福祉保健財団へ事前相談を行います。
    必須ではありませんが、通所介護事業所・単独型短期入所生活介護事業所については、原則として事前相談が必要になります。
    ※八王子市に事業所を開設する場合は、八王子市へ事前相談を行います。
  5. 新規指定前研修会への参加
    東京都福祉保健財団が開催する新規指定前研修会を受講します。
  6. 区市町村への事前相談
    対象区市町村・対象サービスに該当する場合は、開設予定の自治体と事前相談を行います。
  7. 指定申請書類の提出
    必要書類を揃えて東京都福祉保健財団へ提出します。
    ※八王子市に事業所を開設する場合は、八王子市へ提出します。
  8. 審査開始
    審査が行われます。書類の補正などを求められる場合があります。
  9. 指定を受ける
    指定通知書が郵送されますので、事業をスタートできます。
東京都で介護事業所を開設する場合は、法人設立、物件、人員確保、研修受講、GビズID取得、電子申請の準備などを並行して進める必要があります。
指定予定月から逆算し、余裕をもったスケジュールで準備を進めることが大切です。

東京都で介護事業所の開設をお考えの方へ

東京都で介護事業所を開設するには、指定権者や受付窓口、事前相談、新規指定前研修、GビズID取得など、申請前に確認すべき事項が多くあります。

  • 東京都内で介護事業所を開業したい
  • 申請先や指定権者が分からない
  • 新規指定前研修や事前相談の流れを確認したい
  • 法人設立から指定申請までまとめて相談したい
  • GビズIDや電子申請の準備に不安がある

介護事業所の開設準備でお悩みの場合は、早めに専門家へご相談ください。